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ガンダムの気になるところ9 「なぜかみんな知ってるシャアの素性」 2005.12.14 (Wed)

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◆なぜかみんな知っている

一年戦争終結後、シャア・アズナブルの素性については、なぜか周知のこととなっている気がします。
Zガンダムでは、放送開始直後から、”クワトロ=シャア”であることを暗示するセリフや演出がなされています。さらには、”シャア=ジオン・ダイクンの子”という事実も周知であるかように思えます。
どのようなタイミングで、どのような手段で、シャアの素性が知れ渡ったか、また、その情報源はどこなのか気になります。

その素性というのをまとめると以下のようになります。

  1. ジオン・ダイクンの遺児であること
  2. ザビ家は父ジオンの仇であること
  3. 復讐のため身分を偽り、ジオンの軍人となったこと




◆連邦(ティターンズ、エゥーゴも含む)の人々の認識

一年戦争経験者、特にホワイトベースのクルーは、セイラが同乗していたことから、早い段階でシャアの素性を知っていた可能性が十分考えられます。ブライトとカイは、シャアがセイラに金塊を送ったエピソードにより、ある程度の事情は把握できたと言えるでしょう。
Zにおいて、カイはハヤトへの手紙の中で、クワトロがシャアであることを看破し、スペースノイドの指導者たるべき資格がありながら、再び身分を偽っていることを「卑怯」だと罵っています。

カミーユの両親が死んでしまった直後に、哀れな境遇を励まそうとしてクワトロが客観的にシャアのことを引き合いに出します。このとき、カミーユは「あの人はバカです」と一蹴しています。
これは、シャアがしてきたことに対する評価であり、つまりは彼の素性についての知識を有していたことが分かります。

Zの名シーンの一つ、シャアの「ダカール演説」では、自らシャア・アズナブルであり、ジオン・ダイクンの子であることを明言しています。このインパクトは大きく、その後の戦況を変えてしまうほど、功を奏したと言えるでしょう。
ここではシャアがジオンの子であることよりも、シャアが生きていたことに対する驚きのほうが大きい印象があります。
やはり、シャアがジオンの子であるという事実は、すでに分かっていたことであるかのうように思えますし、シャア自身もすでに周知であることを前提とした言い回しとなっています。

一年戦争について、この時期の学校(士官学校も含む)の教科書に載っているらしいことは、いくつかの作品を通じて確認できます。「ソロモンの悪夢」と同じように、「赤い彗星」の異名を持つシャア・アズナブルのことも取り上げられていることは容易に想像できます。
カイはジャーナリストであることから、彼独自のルートでより詳細な情報を得ていたかもしれません。
いずれにせよ、地球圏の人々は、一年戦争後終結後、間もなくシャアの素性を知る機会があったということになります。



◆ジオンの人々の認識

ジオン国民にとって、シャアの素性と彼のしてきたことを知ることは、連邦サイドの人々に比べ、ショッキングだったのではないでしょうか。

「C.D.A.」では、一年戦争後はアクシズに身を寄せ、そのままジオン軍人として活躍する姿が描かれています。
アクシズの統率者であり、ハマーンの父でもあるマハラジャ・カーンは、尊敬するダイクンの子であることを見抜いていますが、当面は他に知る者はいないようです。
シャアの性格と、復讐というけして誉められるべき行為ではないと自負していることを考慮すると、自らの素性や行為を告白するようなことはしないでしょう。

シャアが特別な人物ではないかという噂が一年戦争当時からあったことは、ホワイトベースで捕虜となったコズン(ラルの部下)により分かっています。さらに、ザビ家に対する遺恨に関しても言及しています。
しかし、これらはあくまで噂であり、戦争でのシャアの功績により、”ジオンの英雄”であることのほうが国民にとっては嬉しくもあり、重要な存在であったのかもしれません。

また、ザビ家への復讐劇は、連邦はもちろんのこと、ジオン内部で知る人はいたのでしょうか。
シャアがジオンの子であることが分かれば、身分を偽り、ジオン内部に潜入した理由は容易に想像できます。
しかし、当時の状況から、実際にガルマとキシリアの死に、シャアが関わっていたことを知る者がいたとは考えにくいのです。


戦争に敗れたとはいえ、ジオン国家(サイド3)やアクシズ、連邦に従おうとしない多くの残党がいます。もし、この事実が露呈した場合、かなり混乱を極めたことでしょう。
シャアの素性が分かれば、復讐のためにザビ家滅亡を企て、実際に手をかけたことも国民の大半は納得し、彼をジオンの正当な後継者として受け入れたでしょう。
しかし、中には(ザビ家に近い者や戦争肯定派など)、彼の行為は許しがたい反逆行為であると糾弾する者も少なからずいると思われます。
(ガトーやデラーズはどのように感じたことでしょう)

Zで再会したハマーンがシャアに対して「また裏切りかい?」と言っていることから、一年戦争での彼の行為を知っていることが分かります。
アクシズでも、シャアの素性については、いずれ何らかの方法で知れ渡ることになったのは間違いないようです。


シャアがアクシズを離れ、地球圏に偵察に行くことになった要因として、ハマーンとの政治的方針の違いによるものとなっています。
私の想像では、これに加え、シャアの素性が知れ渡ったタイミングと重なり、アクシズに居づらくなったのではないかと思っています。

もしかすると、アンディとリカルド(のちのアポリとロベルト)をはじめ、多くのジオン軍人は、何も知らなかったという可能性も否定できません。
もしそうならば、ダカール演説を聞いたときは、さぞ驚いたことでしょう。






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テーマ : 機動戦士 ガンダムシリーズ ジャンル : アニメ・コミック

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*Comment

確かにシャアは有名人ですね、

一年戦争終結後のΖガンダムですが
カミーユは結構資料を集めてたから(というより好きだった?)当然ですが見知らぬキャラクターまで詳しくしっていますよね~
よーへー |  2005.12.16(金) 16:54 |  URL |  【コメント編集】

「気になるところ」いつも興味深い点に着目されますね。

カミーユはいつだったか「アングラ本で読んだ」みたいなことを言っていたと思います。
なので、シャア=ジオンの息子でザビに復讐した。というのは一般人にはあまり知られてない話なのではないでしょうか。
でも軍では知られている話なのかもしれないですね。
アングラ本に手をださなそうなエマも知ってますからw

ジオン軍にとっては複雑な問題ですね。
ジオン公国にはジオン・ズム・ダイクンを支持するマハラジャのような人もいれば、ギレンを始めザビ家を支持する軍人(ガトーやデラーズ)もいますから。「シャア…獅子身中の虫め!!」
アクシズもミネバ・ラオ・ザビ、グレミー・トト等ダイクンの支持者ではなく、ザビ家の人間が筆頭なので…シャアって、ジオンの敵ですね;

しかし、アングラ本は売れそうですね。
「仮面のエースパイロット。隠されたその素顔」
「シャア・アズナブル、仮面の王子様」
「生き別れた妹との再会」とかw
氷 |  2005.12.18(日) 02:43 |  URL |  【コメント編集】

【よーへーさん】
ファーストではシャアの存在がミステリアスだったのに対して、Zではその素性が周知沙汰になっているため、シャアに物足りなさを感じてしまうのかもしれませんね。


【氷さん】
>ジオン軍にとっては複雑な問題ですね。
ジオン内部では、シャアの素性が知れ渡ったら、混乱を招くと思うんですよね。
ダイクン派とザビ派で内乱が勃発してもおかしくはないのです。
連邦軍の内輪モメよりも、実はこっちのほうがよっぽど自然で無理のない展開なのではないかと思っています。しかも面白そうだし。
がんがむ |  2005.12.19(月) 01:34 |  URL |  【コメント編集】

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